プレスリリース
全て
企業
新車
モータースポーツ
モーターショー



DATE 2004年05月21日
三菱自動車、2003年度決算及び2004年度業績見通し並びに事業再生計画を発表

三菱自動車は本日、2003年度(2004年3月期)の決算及び2004年度(2005年3月期)の業績見通し並びに事業再生計画を発表した。

[ プレゼンテーションスライド (PDF、52ページ、972KB) ]
( 2004/5/27 修正: Page36 / Page38 / Page38' )

1. 2003年度(2004年3月期)決算結果

売上高は、販売台数が日本、欧州、アジア・その他地域のそれぞれにおいて順調な伸びを示したものの、米国での販売金融における与信基準の厳格化や競争激化に伴う販売台数の大幅な減少により、2兆5,194億円(前年度実績*:2兆7,362億円)となった。

なお、地域別の販売台数については、日本においては新型車投入効果などにより前年度比5千台増の359千台となり、8年ぶりに前年実績を上回った。欧州においても、商品力の強化に加え東欧での台数増の貢献により前年度比14千台増の214千台となり、4年ぶりに前年実績を上回ることとなった。アジア・その他地域においては、前年度比60千台増となる151千台の販売実績を記録した中国が他地域での販売減を補い、前年度比1千台増と微増ながら過去最高となる681千台を記録した。しかしながら、北米における販売台数が前年度の343千台に対し273千台と大幅に減少したことの影響を受け、全世界での販売台数は前年度比50千台減の1,527千台にとどまった。

営業損益については、欧州事業が当社設立以来初の黒字化を達成したものの、米国での販売台数減に加え、販売促進費の増加及び米国販売金融事業における貸倒れ損失の影響もあり、969億円の営業損失となった(前年度実績*:営業利益840億円)。

また経常損益は1,103億円の経常損失(前年度実績:経常利益674億円)、当期損益については、米国及び日本において、2004年度に課税所得のマイナスが見込まれるため、保守的に判断し、一旦繰延税金資産の大部分の取り崩しを行ったことから赤字幅が拡大し、2,154億円の当期損失(前年度実績:当期利益439億円)となった。

(*) 売上高及び営業損益の「前年度実績」については、前年度(2002年度)に実施した海外連結子会社の決算期変更による影響及び前年度決算において含まれていたトラック・バス事業の財務結果を除外している。

2. 2004年度(2005年3月期)業績見通し

事業再生計画のスタートにあたる2004年度については、企業改革と事業再生をスタートさせ、コストの大幅な削減や一部事業の整理を含めた施策の実施に着手するものの、その効果の出現は未だ限定的なものに留まる。さらに、事業再生計画進捗に伴うリストラ費用などにより発生する一時損失を織り込んでいる。

この結果、売上高は2兆2,500億円(前年度比2,694億円減)、損益の状況については営業損失1,200億円(前年度比231億円増)、経常損失1,500億円(前年度比397億円増)、そして当期損失2,300億円(前年度比146億円増)を各々予想している。なお、同業績見通しは、105円/USドル、125円/ユーロの為替レートを前提として策定している。

販売台数見通しとしては、前年度比74千台減となる1,453千台を予想している。地域別に見ると、欧州において新型車投入効果により前年度比46千台増の260千台と大幅な伸びを見込むものの、日本については前年度比59千台減の300千台、北米で前年度比40千台減の233千台、アジア・その他地域で前年度比21千台減の660千台と、欧州以外の地域については各々減少することを予想している。

3. 事業再生計画

自立再生の決意と必達目標

2001年度から取り組んできた中期経営計画「ターンアラウンド」は、変動費の削減、固定費の削減等において当初目標を達成しつつも、米国の販売金融問題などにより、営業利益率において目標から大きく乖離した結果に終わった。また三菱ふそうのリコール問題で大きく信頼を失ったことにより、将来の会社存続を問われる危機に直面している。計画へのチャレンジが自動車メーカーの存続をかけた最後の挑戦であるとの認識にたち、「自立再生」を合言葉に三菱自動車グループの経営陣と全ての社員が力を合わせ、自分たちの力で、三菱自動車を必ず再生させる決意である。
また、この計画の履行により、2005年度に経常利益での黒字化、2006年度に当期利益での黒字化をそれぞれ必達目標とする。

計画の主要項目

(1) 経営改革による信頼の回復と再生の断行

経営改革を完遂する体制(企業倫理委員会、CSR推進本部、事業再生委員会)を導入し、外部からの監視による徹底した企業倫理の確立と外部からの資本導入により大胆な事業再生を断行する。

信頼の回復のための施策

  • 社外有識者を中心に構成される「企業倫理委員会」が、お客様第一、安全第一、品質第一の遵守を「社会の眼」で監視し、取締役会に直接諮問・答申することにより、品質、ガバナンス面の監査機能を抜本的に強化する。
  • 「品質統括本部」に品質保証・管理機能を一元化するとともに、全社的な品質監査、コンプライアンスを推進するCEO直轄の「CSR推進本部」が品質マネジメントを監査し、改善を推進する。
再生断行のための施策
  • 外部投資家の視点から、厳しい改革を推進する。
  • 外部投資家を再生委員長に任命し、1年間の限定で「事業再生委員会」を立上げる。また、事業再生テーマごとに部門横断型チームを設置する。
  • 部門横断型チームは若手中心で、組織の壁を乗り越えて大胆な実行案を再生委員長に提言する。
  • 執行部門は事業再生委員会からおろされた実行案に対して実行責任を持ち、地域担当は地域別に設定された最終損益に結果責任を持つ。
シンプルな組織体制
  • 役員数を2003年度末の51人から2004年度末には37人に削減する。
  • 部数を2003年度末の230から2004年度末には150に削減する。

(2) 大胆な収益構造の変革

固定費、変動費を大幅に削減する。

コスト体質を改善する施策

  • 固定費削減(2006年度までの削減効果は850億円):
    1. 生産能力を2006年度までに17%削減し、工場稼働率を97%まで改善:
      具体策として、国内は、岡崎工場の車体生産を2006年度までに終了し、3生産拠点を2拠点に集約する。海外は豪州MMALの生産についてはエンジン工場を2005年度に閉鎖するとともに、車体組立工場は年間3万台規模に縮小し、生産を継続する。
    2. 間接人員を2006年度までに30%削減(2004年度初26,400人から2006年度末18,800人へ)
    3. プラットフォーム数を2010年までに現状の15から6に集約することにより、開発効率を高める。
  • 変動費削減(2006年度までの削減効果は1,540億円):
    2006年度までに資材費の15%削減を実現する(2006年度までの削減効果額合計:1,200億円)。具体的施策は、三菱クロスファンクショナル・プロジェクト(MXP)活動を継続・強化するほか、グローバルソーシングの推進、海外拠点へのMXP活動の導入、金型費の低減、間接資材における共同コスト低減活動の推進など。 さらに資材費を含めた変動費のトータルコストダウンとして、2006年度までに1,540億円を達成する。
  • 米国における直営販売金融事業を見直し、保有資産規模の縮小と外部パートナーとの戦略提携の可能性を各々模索する。
  • 保有する資源を最大限に有効活用し、小さな本社を目指す。本社機能の京都への移転により、業務効率の向上と、本社の人員削減(30%)、年間約20億円のコスト削減が可能となる。

(3) 成長のための商品戦略

  1. パジェロに象徴される「SUV」、ランサー・エボリューションに象徴される「走り・スポーティ」という三菱自動車DNAへ回帰し、カーラインを再構築する。
  2. PX(Product Executive)体制の導入により商品構想から開発、生産、そして販売まで一貫した商品ライフサイクルの責任を明確化する。
  3. 三菱自動車DNAをもった新型車を積極的に投入する。2004 年度〜2007年度の新車投入数は日本:16、欧州:10、北米:7、中国:11となる。

(4) 成長のための地域戦略

  1. 日本
    顧客を起点とした販売サイクルへの回帰
    • 顧客のニーズにフォーカスした三菱自動車DNA車の連射。(2004年度:4モデル、2005年度:5 モデル)
    • 安心無料点検、24時間サポートを含め全社挙げて顧客との関係構築を図る。
    • ITインフラの活用、店舗リニューアル促進等による販売体制の整備。
  2. 米国
    需給バランスを押さえた収益サイクルへの回帰
    • 工場の生産能力の適正化。
    • フリート比率とインセンティブの低減。
    • 特別仕様車の積極的な投入。
    • 新型車の積極的な投入(2005年度:3モデル)
  3. 中国市場での利益機会の実現
    • 現地パートナーへの出資比率の引き上げにより生産・販売網を三菱自動車ブランドに切り換え事業の安定化を図るとともに、利益機会の拡大を実現する。また、新車種、アジア戦略車の投入により商品ラインナップを強化するほか、エンジン・トランスミッション合弁会社のアジア地域での部品供給基地化を実現する。2008年度には500店の三菱自動車ブランドディーラーで年間22万台の販売を目指す(ローカルブランドを含めて31万台)
  4. 地域別販売台数目標
    • 2006年度にかけて中国を含む北アジアでの大幅な販売増加を実現するとともに北米での販売回復を実現させ、世界販売台数170万台を目指す。
(5) ダイムラークライスラー(DC)とのアライアンス

DCは三菱自動車にとって重要なパートナーであり、今後も同社とのアライアンスは経済合理性の原則に基づいて推進する。既存の協業プロジェクトであるBセグメント(コルトクラス)のプラットフォーム共同開発・生産、ワールド・エンジンの共同開発・生産、Cセグメント(ランサークラス)のプラットフォームの共同開発、ピックアップのクライスラーからのOEM供給は、両社にとってメリットのあるものであり、今後も継続する。また、将来発生する案件については経済合理性に則り、案件毎にアライアンスの可能性を検討する。

(6) 業績目標

2005年度に最終損益の黒字化、2006年度に売上高2兆4,900億円、営業利益1,200億円、経常利益1,000億円、当期利益700億円、営業利益率4.8%を目指す。

(7) 財務目標

総有利子負債を2006年度末には40%以上削減し、負債資本比率を2.5倍以下とする。

計画を実施するための資本増強策

増資計画の内容は以下の通り。
三菱グループから2,700億円、ストラテジック・パートナーである中華汽車(CMC)から100億円、市場からの調達は1,700億円の計4,500億円。それぞれの内訳は、三菱グループについては三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行、その他三菱グループ各社による優先株1,400億円及び、東京三菱銀行、三菱信託銀行による債務の株式化1,300億円。
市場調達分については、フェニックス・キャピタルによる普通株700億円*及びJPモルガン証券による優先株1,000億円を予定。これら資金の使途は事業再生が3,200億円、負債削減が1,300億円となっている。 (*) 最大1,000億円
なお、三菱グループ各社及びCMCに発行する優先株については既に本日発行決議済みであり、6月下旬に払込の予定。また、市場調達分のうちフェニックス・キャピタルに発行する普通株式については、定時株主総会で有利発行(1株当たり発行価額100円程度想定)に関する承認を得たうえで改めて発行決議を行う予定である。JPモルガンに発行する優先株についてもフェニックス・キャピタルへ発行する普通株式と同時に発行決議を行い、7月中下旬の払込の方向で検討している。
今回発行を予定している優先株式は3種類であり、3種類とも将来的には普通株式に転換可能または強制転換される内容の転換型優先株式であるが、三菱グループ及びCMC向けの優先株式については、相対的に長期保有することを旨とした商品設計としている。

このレリースに記載されている三菱自動車の現在の計画、戦略、確信、業績等の見通しなどのうち、歴史的事実でないものは将来の見通しです。これらの将来の見通しは現在の期待、予想、見通し、予測から得られた経営陣の判断に基づいています。これらの期待、予想、見通し、予想には、リスクや不確定な要素、仮定が含まれており、記載の見通しとは大きく異なる場合があります。従って、これらの業績の見通しのみに依存することは控えるようお願い致します。また、新たな情報、将来の出来事、その他の進展の結果、これらの見通しを変更することがあります。