三菱自動車と同社のモータースポーツ統括会社MMSP GmbH.は、来る3月11日(木)〜14日(日)にメキシコのレオンを中心に開催される2004年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦のコロナ・ラリー・メキシコ(以下ラリー・メキシコ)に「チーム三菱自動車モータースポーツ」から『ランサーWRC04』2台で参戦する。
9月に北海道で開催される「ラリー・ジャパン」同様、今年が初のWRC開催となるメキシコで、『ランサーWRC04』を駆るのはエースであるジル・パニッツィ(フランス)と、若手のジャンルイジ・ガリ(イタリア)のふたり。開幕戦で鮮やかな走りをみせた南ヨーロッパコンビがアメリカ大陸に乗り込む。
ラリー・メキシコは今シーズン初のグラベル(未舗装路)ラリーで、これから第9戦フィンランドまで続くグラベルラウンドのオープニングを飾るイベント。WRC初開催だけにどのような戦いが展開されるかは予想もつかない状況である。エントラントの中にはWRCに昇格する以前のイベントに参加したドライバーもいるが、今大会ではコースもかなり変わっており、各エントラントともほぼイーブンな状態でラリーにのぞむことになる。
尚、三菱自動車は、3月11日(木)のシェイクダウンから3月14日(日)の最終レグまで、ラリー・メキシコの最新情報を同社のホームページを通じて紹介する。
1. デイリーレポート
http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/j/04wrc/round3/index.html
2. 写真素材
http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/e/04wrc/mex/photo.html
1. ドライバーコメント
■三菱自動車のエース、パニッツィは初戦モンテカルロラリーを6位でフィニッシュ。続くスウェディッシュラリーでは惜しくもトラブルのためリタイアしたが、『ランサーWRC04』の潜在能力に十分な手ごたえを感じたようだ。パニッツィは「モンテカルロでのデビュー戦、そしてスウェディッシュとあわただしい2戦が続いた。あまり多くテストをすることができないまま本番にのぞんだわけで、ようやくスタートラインに並んだという気がします。2戦を終えてマシンのパフォーマンスの高さは確認でき、開発の方向性も見えてきた。急激に戦闘能力を上げることは難しいが『ランサーWRC04』は徐々に速くなっていくと思います。メキシコで使用するマシンはサスペンションに改良が加えられ、確実に進化しているはず。とても楽しみですね」とコメントしている。
■モンテカルロラリーでワークスドライバーとしてのキャリアを歩み始めたガリも、メキシコでの活躍が期待される。リタイアこそしたがモンテカルロラリーの初日に刻んだSS(競技区間)4位という記録で周囲のガリに対する評価は急上昇。「モンテカルロでは早々とリタイアしてしまいマシンに慣れることができませんでした。ですので、メキシコでは『ランサーWRC04』という車をもっと理解し、ゴールに導くことを目標にします。そうすればきっと悪くない結果が得られるでしょう」と、ガリは意欲を見せる。
2. ラリー・メキシコの概要
■ラリー・メキシコが行われるのは、メキシコ5番目の都市であるレオンを中心としたエリア。レオンはメキシコシティの北西380kmに位置し、人口120万人を擁するグアナファト州で1番大きな町である。近くには中世ヨーロッパを思わせるコロニアル建築で有名な古都グアナファトもあり、この高原の町はユネスコの世界文化遺産に指定されていることでもよく知られている。
■イベントの特長としては非常に標高の高い場所でのラリーであることが挙げられる。標高2700mを超えるコースを使うステージもあり、これは今シーズンのWRCの中でもっとも高い場所ということになる。そのため、マシンにはエンジンの高度対策を施すなどの処置が必要となる。また、コース設定は今年開催されるWRCの中でも1、2を争うほどコンパクトなレイアウト。レオンからそう遠くないエリアに合計15本のSSが密集しているのも特長だ。
■また、このラリー・メキシコから導入される新しいシステムやルールにも注目が集まる。例えばミルピステシステムと呼ばれるラリー日程だ。従来のWRCでは火曜日と水曜日に行われていたレッキ(事前試走)が、このメキシコでは水曜日と木曜日に設定されている。ラリー開催期間を短くしコストを下げるのがその目的だ。そのため水曜日にレッキと車検が実施され、木曜日にレッキとシェイクダウン、セレモニースタートが行われる。
■タイヤの使用本数制限も新たに導入されるルールのひとつ。タイヤのトレッドパターンはラリーが始まる前に2種類を選択し、あらかじめ申請する必要がある。1台のマシンが使用できるタイヤの最大使用本数はタイヤ交換の回数×10。そのため、合計6回タイヤ交換の機会があるメキシコでは60本となる。この60本のタイヤにはすべてバーコードがつけられ、使用状況が主催者によって厳しく監視される。そして、ドライバーはサービスポイントに入る前に、あらかじめ装着するタイヤを選ばなくてはならなくなったことも新しい。
■マシンの整備を時間をおいて1台づつ行う、フレキシーサービスもラリー・メキシコから導入されるシステムのひとつだ。そのためワークスチームのサービスはこれまでとは違い基本的に1台分の整備機材、人員を用意すれば良いことになった。これもレッキのスケジュール変更、タイヤの使用本数制限とともにラリー全体のコストを下げるための工夫である。
■なお、ラリー・メキシコはPWRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)のシリーズ第2戦でもある。第1戦スウェーデンでは『ランサーエボリューション』を駆ったヤニ・パーソネン(フィンランド)が見事優勝、幸先の良いスタートを切った。この第2戦には三菱自動車チームの一員であるダニエル・ソラや、日本期待の奴田原文雄(アドバンPIAAラリーチーム)も『ランサーエボリューション』で出場、スバルの新井敏弘との日本人対決に注目が集まる。また、P-WRCにはエントリーしていないが、スウェディッシュラリーでワークスカーの『ランサーWRC04』をドライブしたクリスチャン・ソルベルグ(フィンランド)も出場。『ランサーエボリューション』でグループNマシンのトップを狙う。
■ラリーは11日(木)の夜9 時よりレオンから53キロ離れたグアナファトでセレモニースタートを行ない、翌12日(金)から本格的に競技がスタート。サービスパークが置かれるレオンのポリフォーラムエクスポセンターを中心に、3日間で計15本のSSを走る。1号車のフィニッシュはレオンに14日(日)午後2時20分を予定。ラリーの総走行距離は1040.67キロ、うちSSは394.43キロとなる。