三菱自動車と同社のモータースポーツ統括会社MMSP GmbH.は、来る5月13日(木)〜16日(日)にキプロス共和国のリマソルを中心に開催される2004年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦のキプロス・ラリーに「チーム三菱自動車モータースポーツ」から『ランサーWRC04』2台で参戦する。
第3戦メキシコ、第4戦ニュージーランドと世界を転戦してきたWRCが、その本拠地であるヨーロッパに帰ってきた。もっとも第5戦の舞台キプロスが位置するのは地中海の東端。四国の半分程度の面積しかないこの島国は、地理的にはフランスやドイツなど西ヨーロッパよりもトルコやエジプトに近く、独自の文化を備えている。
キプロス・ラリーの特長としてはシリーズ随一の低速グラベルラリーであること。実際、去年のこのラリーのウイナーの平均速度は時速70キロを下回っている。コースは全体的に荒れており、しかも非常にツイスティ。時期的に気温が高いこともありマシン、ドライバーともにとてもタフな戦いを強いられることになる。
三菱自動車チームはこのイベントに、ジル・パニッツィ(フランス)とクリスチャン・ソルベルグ(フィンランド)のふたりをワークスドライバーとしてエントリー。両者ともキプロスでの経験は決して豊富とは言えないが、今シーズン初となるラフグラベルラリーへの参戦を楽しみにしている。
尚、三菱自動車は、5月13日(木)のシェイクダウンから5月16日(日)の最終レグまで、キプロス・ラリーの最新情報を同社のホームページを通じて紹介する。
1. デイリーレポート
http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/j/04wrc/round5/index.html
2. 写真素材
http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/e/04wrc/cy/photo.html
エースドライバーのジル・パニッツィは、去年のキプロスでノンワークスのマシンを駆りながらも初日4位と大健闘。惜しくも2日目にエンジントラブルによりリタイアしてしまったが、ラフグラベルラリーにおけるパフォーマンスの高さを強く印象づけている。
「キプロスは今年これまで戦ってきたイベントと比べるとかなり性格が異なり、しかも難易度の高いラリーだと言えます。我々のマシン、ランサーWRC04は前戦のニュージーランドまでに多くの部分が改良されました。例えばエンジン、ギヤボックス、ブレーキ、そして温度制御。残念ながらニュージーランドでは早々のリタイアによりその進化を証明することはできませんでしたが、それでも十分な手ごたえは感じました。ただし、キプロスではとくにダンパーに関してさらなる改良を施す必要を感じており、実戦でどうなるかはラリーが始まってみないとわかりません。いずれにしろタフな戦いになることは間違いないでしょう」とコメント。慎重な姿勢を見せた。
一方、今シーズン3回目のWRカードライブとなるクリスチャン・ソルベルグは、キプロスに関しては2002年にグループNのランサーエボリューションで1度出場したきり。結果はPWRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)上位を走行しながらも、第1レグでリタイアしている。
「キプロスはとても特殊なラリーです。ここまでの他のイベントとはちょっと違ったアプローチをとる必要があります」とソルベルグ。「常にアクセル全開というわけにはいきませんし、より慎重に走ることが大切だと思います。とにかく路面がとてもラフなので、上位何台かのマシンは必ずリタイアするはずです。それはつまり、我々が注意深く走り完走さえすればポイントをゲットする可能性が高いということでもあります。私としてはマシンがニュージーランドで大きく進歩したこともあるので、自信を持ってキプロスにのぞむことができそうです。たしかにニュージーランドでは距離を稼ぐことはできませんでしたし、イベントの性格そのもの大きく違うことはわかっています。それでも、ニュージーランドでの良い感触がキプロスで再現されることを願っています」とコメントした。
キプロスへ向けての最終的なテストを行ったテクニカル・ディレクターのマリオ・フォルナリスは「現在もマシンの開発は鋭意進行中といった状態です。キプロスは今シーズン初のラフグラベルラリーとなり、それはつまりランサーWRC04にとっても初めての経験となるわけです。気温もかなり高くなることが予想されるため、サスペンション、エンジン、トランスミッション等に非常に大きな負荷がかかるでしょう。我々は起こりうる事態に対処すべく可能な限り努力を続けていますが、それが良い結果に結びつくことを願っています」と、キプロス・ラリーに対する展望を語っている。
ラリーは有名なマリンリゾートであるリマソルの町をベースとし、サービスパークはラリーを通じて町の西側にある港に近い柑橘類の果樹園に置かれる。ラリー全体のスケジュールは木曜日にシェイクダウンを行ない、その晩に町のプロムナードでセレモニースタートにより幕開け。金曜日より本格的な競技が始まる。金曜日の第1レグはリマソル北方のエリアで6つのSS(スペシャルステージ=競技区間)を行ないSS合計距離は121.78km。土曜日の第2レグはリマソル北部および北西部で6つのSS(合計距離109.56km)を実施。最終日の日曜、第3レグはリマソル北東部で6つのSS(合計距離95.34km)を行ないリマソルでフィニッシュ。3日間の合計では18箇所のSSが用意され、その合計距離は326.68km。移動区間を含めた総走行距離は1.136.72kmとなっている。