三菱自動車と同社のモータースポーツ統括会社MMSP GmbH.は、来る6月3日(木)〜 6日(日)にギリシア共和国のラミアを中心に開催される2004年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦のアクロポリス・ラリーに「チーム三菱自動車モータースポーツ」から『ランサーWRC04』2台で参戦する。
三菱自動車チームはこのイベントに、ジル・パニッツィ(フランス)とダニエル・ソラ(スペイン)のふたりをワークスドライバーとしてエントリー。三菱自動車チームは今シーズン3人の若手ドライバーにランサーWRC04をドライブするチャンスを与えるプログラムを実施。これまでクリスチャン・ソルベルグ(フィンランド)が3戦、ジャンルイジ・ガリ(イタリア)が2戦を戦ってきた。ソラは今シーズン初めてランサーWRC04のステアリングを握ることとなり、その戦いぶりに注目が集まる。
第5戦キプロス・ラリーから始まった地中海沿岸ラフグラベルラリー3連戦の第2ラウンド。アクロポリス・ラリーは神話と歴史の国、ギリシアを舞台とする。第51回目を迎えるこの伝統の1戦は、今年も去年同様ギリシア北西部の都市ラミアがホストタウンとなる。去年と異なるのはセレモニアルスタートの場所が首都アテネからラミアへと移されたこと。長距離のリエゾン区間がなくなったことで、コンペティターにかかる負担はだいぶ軽減されることになる。
アクロポリス・ラリーはキプロス・ラリー同様ハードな路面コンディションで知られる。ただし、平均スピードは最低レベルのキプロスよりは高く、求められるマシンセッティングは若干異なる。また、最高気温は30度をオーバーすることも珍しくなく、コクピット内の温度は60度を超えることも。マシン、ドライバーともに熱との戦いを避けることはできない。
尚、三菱自動車は、6月3日(木)の第1レグ前半部分から6月6日(日)の最終レグまで、アクロポリス・ラリーの最新情報を同社のホームページを通じて紹介する。
1. デイリーレポート
http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/j/04wrc/round6/index.html
2. 写真素材
http://www.mitsubishi-motors.com/motorsports/e/04wrc/gr/photo.html
エースのジル・パニッツィは、前回のキプロスでは惜しくもメカニカルトラブルが原因でリタイアとなったが、気持ちも新たにアクロポリスへとのぞむ。「キプロス、アクロポリス、そしてトルコと我々にとってはタフなラリーがしばらく続きます。アクロポリスはキプロスよりも車速の高いラリーで、マシンにはさらに大きな負担がかかることでしょう」と冷静に状況を分析するパニッツィ。「前戦キプロスではマシンが止まって動けなくなったのではなく、ロードセクションの遅れが原因で戦列を去ることになりました。完走を目標としていただけに残念でした。ランサーWRC04はまだまだ開発途上中のマシンであり、まだまだやるべきことは沢山あります。とくにショックアブソーバーに関してはこれからも改良を続ける必要があるでしょう。チームもよくやってくれています。今はただ、休むことなく開発を進めていくしかありません」
なお、アクロポリスにはミシュランがニュータイヤを導入するが、これについてパニッツィは「テストをする時間は木曜日のシェイクダウンしかないのでどうなるかはわかりません。ただし、エンジニアから聞くところによるとラフな路面での耐久性は明らかに高く、性能も良いようです」と述べている。
2002年のJWRC(ジュニアWRC)王者ソラは、今年これまで市販車(グループNマシン)による世界最高峰を競うFIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)にランサーエボリューションで参戦しており1勝をマーク。第3戦が終了した時点でシリーズランキング1位に立っている。本来はターマック(舗装路)ラリーを得意とするソラだが、去年までと比べると明らかにグラベルラリーでのパフォーマンスも上がっている。これまでのアクロポリス・ラリーの成績は2002年がJWRC4位、2003年が総合12位。最高峰であるWRカー(ワールドラリーカー)、ランサーWRC04でどのような走りを見せるか楽しみなところである。
ギリシア入りを目前に控えたソラは、「今年に入って5カ月、ようやくランサーWRC04をドライブするチャンスを得てとても嬉しく思っています。私が今回目標とすることは完走。可能な限り多くの距離を走りマシンの情報をなるべく多くチームに伝えることが何よりも大切なことですから。私自身としては前戦のキプロスでレッキ(事前試走)に参加できたことが良い経験となっています。ギリシアはキプロスより多少路面状況は良いと思いますが、基本的には似たキャラクターのラリー。キプロスでの経験は必ずやプラスになるでしょう。心配される熱問題は、私自身のことに関しては問題ありません。体力的には自身を持っています」とコメント。準備は万端のようだ。
テクニカルディレクターのマリオ・フォルナリスはドライバーたちのコメントを次のように補足する。「アクロポリスはサスペンションにとって恐らくシーズン中もっとも厳しいラリーでしょう。我々はキプロスでの経験をもとに、ショックアブソーバーを含む様々なラフコンディションに対する対応策を講じました。アクロポリスはスピードも高くとても良いラリーですが、同時に非常に難しいラリーですね」
ラリーは3日(木)の夕方にラミアをスタート。第1レグの前半部分として45.95kmのリエゾン(移動区間)を経て最初の第1SSを走る。2.25kmのこのステージは2台同時スタートのスーパースペシャルステージ。その後再びラミアへと戻り、そこでパルクフェルメ(車両保管)。翌日4日(金)より本格的に競技はスタートし第1レグの後半部分を実施。合計8つのSSが行われるなど、もっとも長い距離を競う1日となる。なお、第1レグのSS合計距離は145.45km。5日(土)第2レグのSSは7箇所で合計距離は133.18km。最終日6日(日)第3レグのSSは6箇所で合計距離は98.50km。3つのレグトータルでSSの数は22箇所、合計距離は377.13km。リエゾン区間も含めた総走行距離は1438.48kmとなっている。