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DATE 2005年11月21日
2006年ダカールラリー(通称パリダカ) ─ 「チーム・レプソル三菱ラリーアート」、増岡浩とS.ペテランセル(仏)の両エースを筆頭に、『パジェロ エボリューション』4台体制で史上初の6連覇・通算11勝目を目指して参戦



増岡浩 / パスカル・メモン

三菱自動車と同社のモータースポーツ統括会社MMSPは、2005年12月31日(土)にポルトガルの首都リスボンをスタートし、2006年1月15日(日)にセネガルの首都ダカールにゴールする2006年の第28回ダカールラリー*1(通称パリダカ)に、「チーム・レプソル三菱ラリーアート」(Team Repsol Mitsubishi Ralliart)*2から『パジェロ エボリューション』の4台体制で参戦。ドライバーは、増岡浩とステファン・ペテランセル(フランス)の両エースを主軸に、リュック・アルファン(フランス)、ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)を加えた4名の磐石な布陣で、同一チームによる史上初の6連覇と通算11勝を狙う。今年で第28回目を迎えるパリダカには、第4回の1983年大会に市販車無改造仕様の『パジェロ』で初参戦して以来、今回で24回連続での参戦となるが、2005年大会で達成した5連覇と通算10勝の史上最多記録の自己更新を目指す。

*1 … 正式名称ユーロミルホー・ダカール2006、冠企業ユーロミルホーはポルトガルのロットくじ運営組織
*2 … レプソルはスペインに本拠を置く石油会社で、チームのメインスポンサー

日本人エースの増岡浩は、2002年大会で悲願の総合優勝を遂げたあと2003年大会でも2連覇を果たしているが、今回は2002年大会の初優勝時にコ・ドライバーを務めたパスカル・メモン(フランス)とのコンビを再結成して、19回目の出場で自身3度目の総合優勝に期待がかかる。ステファン・ペテランセル(フランス)は、二輪部門で過去6度の総合優勝を誇り、四輪部門転向後は2004年〜2005年大会で2年連続総合優勝を飾っており、コ・ドライバーはエンジニアとしての才能にも恵まれているジャン-ポール・コトレ(フランス)が引き続き担当、自身の3連勝を目指す。元アルペンスキーチャンピオンのリュック・アルファン(フランス)は、2005年大会では2位入賞によりチームのワン・ツー・フィニッシュに貢献。コ・ドライバーは2005年大会同様、ジル・ピカール(フランス)が務める。ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)は、2004年大会の二輪部門で総合優勝を飾ったあと四輪部門に転向、2005年大会では6位に入賞するなど、目下、めきめきと実力をつけている。コ・ドライバーは2005年大会同様、アンリ・マーニュ(フランス)が務める。

参戦車両『パジェロ エボリューション』は、2003年のデビュー以来、パリダカでは3連勝と無敗。また、パリダカ以外にもFIAクロスカントリーラリー・ワールドカップやバハカップへの参戦、そしてモロッコでの幾度にも及ぶ長期間に渡るテストによって、常に戦闘力と信頼性の向上を果たし続けている。三菱自動車の技術開発本部モータースポーツチームからのエンジニア派遣など連携をいっそう強化。初期モデルのMPR10型から改良型のMPR11型を経て、今回の2006年大会を戦う最新モデルのMPR12型に至るが、本モデルでは主に以下の改良を施している。

まず、エンジンの吸排気管長、カムタイミングを最適化させて低中回転域でのトルク特性を改善。特に砂丘など路面抵抗の大きいコースでは、大きなアドバンテージとなることが期待される。また、ピストン、コンロッド、クランクシャフトの形状を見直して耐久性も向上させている。そして、出力特性の向上にあわせ、デフの減速機構を2段とすることで各ギアにかかる負荷を低減させたほか、トルクリミッターを可変容量化することでトラクション性能を損なうことなく衝撃の入力を効果的に遮断、駆動系の耐久性を向上させている。尚、トランスミッションとフロントデフのオイルクーラーを水冷化することで冷却性能も向上させた。さらに、サスペンションにも改良を施して様々な路面状況への適応力を高めながら走破性を向上させている。サスペンションアームのレイアウトを見直して作動性をいっそう改善させたうえで、オーバーヒート対策を施しつつダンパーの衝撃吸収性を向上させることで悪路での走破性を向上。また、レギュレーションで禁止された油圧式のスタビライザーに代えて、前後スタビライザーにはON/OFFの解除機構を新設、路面状況に応じた設定が選択可能となり適応力を高めるなど、細部に至るまで徹底的なモディファイにより戦闘力を向上させている。チームは8月末から9月初旬の約2週間に渡ってモロッコテストを行い、トータルで6,000q以上の距離を走破。さらに本ラリーの序盤戦が行われるポルトガルを舞台とした「バハ・アンタ ダ セラ500(10月20日〜24日)」で増岡浩が、また、FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ最終戦「UAEデザートチャレンジ」でもS.ペテランセルが、それぞれ貴重な実戦データを収集するなど万全の準備体制を整えている。

自身のパリダカ3勝目を目指す増岡浩は「もちろん、チームの一員として6連覇と通算11勝目に貢献するのが目標ですが、それが私自身の手により達成できれば最高です。改良を施したMPR12型の『パジェロ エボリューション』は、エンジンもよりフラットトルクで扱いやすくなり、駆動系の耐久性も高められています。サスペンションも一層しなやかに動くようになったので、存分にアクセルを踏み込んでいけます。マシンに対しては大変満足しており、期待に応える自信はあります」と意欲十分。体調も近年ではベストの状態にあり、02年に初優勝した際のコ・ドライバー、P.メモンと再びコンビを組むことでモチベーションも一層高まっている様子で「今大会はGPSポイントが大幅に制限されるなど、ナビゲーターの力量が重要なポイントとなるでしょう。ヤマ場は私が得意とするモーリタニアの砂丘にくると考えていますが、年々、コース設定がハイスピード化されており差がつきにくくなってきていますので、ステージごとに強弱のメリハリをつける戦い方ではなく、どのステージも95%のペースでコンスタントに攻めていきます」と自信をのぞかせた。また、S.ペテランセルも「パリダカでは何が起きても不思議ではありません。ルートも非常に複雑ですが、だからこそ、いっそう闘志をかきたてられます」とスタートが待ち遠しい様子だ。一方、「今年はライバル勢もかなり進歩している」と語るのは、MMSPのドミニク・セリエス監督。「優勝は簡単ではない。しかし、我々は絶対に勝つという意気込みで臨みます」と持ち前の慎重な態度は崩さないが、やる気を漲らせている。そしてMMSP社長の鳥居勲は「チーム全体がポジティブなムードに包まれており、事前の準備も順調に進んでいます。このチームであれば6連覇も夢ではありません」と力強く語った。

今回で第28回を迎えるパリダカは初めてスタート地をポルトガルのリスボンに選んだ。12月28日(木)〜30日(金)に車検と書類申請を同市近郊で行ったあと、12月31日(土)にスタートが切られる。ラリーはアルガルヴェ沿岸のポルティマンにスペシャルステージをこなした後、スペインへと下り、1月1日(日)夜半にジブラルタル海峡を渡るフェリーでモロッコからアフリカに上陸。その後は南下してモーリタニア、マリ共和国を通過し、96年以来となるギニアへ向う。最後はセネガルに入り、1月15日(日)にセネガルの首都ダカール近郊のラックローズにゴールする。なお、具体的なビバーク地や休息日の日程、SS(競技区間)の距離などは11月22日(火)に主催者より発表される予定となっている。

■ 2006年ダカールラリー参戦車両 パジェロ エボリューション(MPR12)主要諸元

車両コード MPR12
全長 4,222mm
全幅 1,978mm
ホイールベース 2,775mm
トレッド (前) 1,750mm
  (後) 1,755mm
車両重量 1,825kg
 
エンジン V型6気筒DOHC 24バルブ MIVEC(ドライサンプ式オイルシステム付)
燃料噴射装置 ECIマルチ
排気量 3.997L
最高出力 199kW(270PS) / 5500rpm
最大トルク 417Nm(42.5kgfm) / 4500rpm
タンク容量 500L
 
トランスミッション リカルド社製 6速シーケンシャルマニュアル
4WDシステム フルタイム4WD デフロック付きセルフロッキングデフ
フロントデフ Xトラック社製 デフロック付きセルフロッキングデフ
リヤデフ Xトラック社製 デフロック付きセルフロッキングデフ
 
サスペンション (前) 独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング + アンチロールバー
  (後) 独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング + アンチロールバー
  (* レギュレーション変更により、油圧式アンチロールバーを廃止)
ショックアブソーバー 減衰力調整式ダンパー
 
ホイールストローク 250mm(前後とも)
ステアリング形式 ラック&ピニオン(パワーステアリング)
ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク(ブレンボ社製6POTキャリパー&ローター)
ホイール 7×16 アルミホイール
  (* レギュレーション変更により、マグネシウムから材質変更)
タイヤ 235/85-16(BF Goodrich社製)
 
その他特徴 スチール製マルチチューブラーフレーム + ハニカム材フロア + カーボン製ボディ