三菱自動車と同社のモータースポーツ統括会社MMSPは、2007年ダカールラリー(正式名称:ユーロミルホー・ダカール2007)を約3週間後に控えた12月18日(月)〜19日(火)に、フランス中部ディジョン市近郊のル・クルーゾーにあるオフロードコースで、新型『パジェロエボリューション』(MPR13)4台のシェイクダウンテストを実施した。当初2日間の走行を予定していたが、2日目の走行をキャンセルするほどの順調な仕上がり。「チーム・レプソル三菱ラリーアート」は、参戦25年目という節目の大会での7連覇及び通算12勝の達成に、確かな手応えを掴んだ。また、大会期間中、同チームのサポートカーを務める『デリカD:5』(来年年初に発売予定のワンボックスタイプのミニバン)も走行。一通りの動作確認を終え、本番を待つばかりとなった。
今回のオフロードコースは、三菱自動車のクロスカントリーラリー車開発拠点であるMMSP SAS(フランス、ポン・ド・ボー)から約100km離れた丘陵地帯に位置し、例年、本番前の総仕上げのシェイクダウンテストを実施するコースとして馴染みの場所だ。三菱自動車チームは、ここに一周約5kmの周回コースを設定。コースはアップダウンに富み、グラベルの路面にはところどころに大きな石が出ている。そのうえ、雨が流れた後の轍掘れも深く、ミスを犯せばマシンにダメージを負いかねない。曇天ながら例年よりも暖かい気温10度のコンディションの中、4台の『パジェロエボリューション』は、その仕上がりを確かめるように走り出す。増岡浩、ステファン・ペテランセル(フランス)、リュック・アルファン(フランス)、ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)の4名は、組みあがったばかりの新車特有の初期トラブルに見舞われつつも、トラブルが本番前に出るのはむしろ望ましく、粛々と対応。その後は、エンジンのレスポンスや足回りの仕様の最終確認などを順調にこなしながら、4台はそれぞれ10〜20周ほど周回を重ね、シェイクダウンテストを無事終了した。
走行を終えた増岡は「クルマは満足のいく仕上がりです。サスペンションのセッティングは、ここの路面には堅さを感じますが、UAEの砂地でテストした結果の仕様なので、これがベストだと思います」と満足気。自身の参戦20回目という大きな節目に3勝目を目指す2007年大会に向けては「常に慎重な走りを心がけ、まずは確実に3位以内につけていたい。そして勝機がくれば、勝ちにいきます」と意欲をみなぎらせた。増岡と同じく優勝すれば3勝目となるペテランセルは「エンジンのレスポンスも良かったし、マシンは全く問題ありません。気持ち良くスタート出来そうです。自分にとって4輪部門での出場9回目(2輪と4輪の合計で19回目)となる2007年大会は、プレッシャーもなくベストを尽くせると思います」と内に秘めた自信をのぞかせ、2006年大会で嬉しい初優勝を果たしたアルファンも「この数ヶ月は準備に忙殺されていたので、明日からの休養で英気を養い、本番に備えたいです。11月の(FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ最終戦)UAEデザートチャレンジでの優勝も、良い意味で精神的な余裕に繋がっています」と持ち前の明るさでアピール。そして、4輪転向を果たして以来、成長著しいロマも「チームや周りのサポートもあって、自分でも(4輪ドライバーとしての)進歩ぶりには驚くほどです。2007年大会で勝てるかどうかは分かりませんが、アンリ・マーニュ(フランス、6月のモロッコラリー中に亡くなった僚友)のためにも是非、上位でフィニッシュしたいです」と気合いを見せていた。
チーム監督のドミニク・セリエスは「今日、トラブルもなく無事にシェイクダウンテストを終えたことに、大変満足しています。2007年大会は、三菱自動車チームにとってダカールラリー参戦25年目の節目となりますが、新型車の開発をはじめ、ここまで順調に準備が進められたことは、新たな勝利への自信の源となるものです」と力強くコメント。そして、テストに同行した三菱自動車の技術開発本部モータースポーツ部長の中山修は「例年以上にモチベーションが高まっており、この状態をキープしていけば結果はついてくるように感じました。新型『パジェロエボリューション』4台を擁するチームの総合力は高く、近年ライバルチームも力をつけてきましたが、全員が必死になって頑張れば勝てる。そう信じています」と力強く締めくくった。
チームのサポートカーの1台として送り込まれる『デリカD:5』は、ダカールラリーを戦う『パジェロエボリューション』と同様のカラーリングが施され、アンダーガードや補助灯などが装着されたことにより、ラリーカーの逞しい雰囲気を身に纏っていた。これのステアリングはテクニカルディレクターのティエリー・ヴィアルドに託され、シェイクダウンテストを開始。比較的フラットな路面からゆっくりと走り出し、徐々にスピードを増しながら荒れたグラベルを試走する。ラリー専用のサスペンションを装着してリフトアップされた『デリカD:5』は、大きなギャップ越えもしなやかにこなすなど、オールラウンドな走破性能の片鱗を見せつけシェイクダウンテストを終了。「『デリカ』ならではの走破性がさらに磨かれています。走りのパフォーマンスは、流石ですね」と増岡も太鼓判を押していた。