三菱自動車と同社のモータースポーツ統括会社MMSP GmbHは、2004年のFIA世界ラリー選手権(WRC)復帰に向け、新型ワールドラリーカー『ランサーWRC04*』を開発し、11月28日(金)より12月7日(日)までドイツのエッセンで開催される「エッセンモーターショー」で世界に先駆け披露する。
*FIAのホモロゲーションを以って『ランサーWRC04』が正式な車名となる。
『ランサーWRC04』は、30年以上にわたる三菱自動車のラリー活動で培った実戦経験と最新技術を組み合わせ、FIA世界ラリー選手権出場を目的としたワールドラリーカー車両公認規定に基づき開発された。
三菱自動車は『ランサーWRC04』で2004年1月に開催される「モンテカルロラリー」から世界ラリー選手権へ2年ぶりに復帰し、9月に日本で初めて開催されるWRC「日本ラリー」を含む2004年シーズンの全16戦に参戦する。
ワールドラリーカーは、年間2万5千台以上生産された車両をベースとすることが規定されていることから、『ランサーWRC04』は、2002年まで参戦していた『ランサーエボリューションWRC2』同様、三菱自動車のコンパクトセダン『ランサー』をベースとしている。しかし機能美を想像させる外観が示す通り、全くの新しいワールドラリーカーである。
もちろん三菱自動車がこれまで世界のラリーで培ったノウハウと、日本と欧州各拠点の機能を最大限に活用して開発されたが、斬新なデザイン戦略は主に、英国のラグビーにある三菱自動車のWRC開発拠点MMSP
LTDのテクニカルディレクター、マリオ・フォルナリスが率いる若いエンジニアチームによって推進された。フォルナリスは2004年シーズンを翌年以降の飛躍に向けたクルマづくりと、ドライバー体制の確立に向けた準備期間と位置付けている。
"『ランサーWRC04』は、あらゆるコンディションのラリーで勝てるポテンシャルを確保するために6,000点に及ぶ新たな部品を開発・採用した。しかし開発の基本理念は、最先端のシステムや技術を導入すること以上に、『ランサー』の特性をよく理解し、その特性を最大限に活用することに重点を置いた"
とフォルナリスは語った。
1.『ランサーWRC04』の主な特長
□エアロダイナミクス
『ランサーWRC04』は、高速化が予想される世界ラリー選手権に適応させるため、エアロダイナミクスの重要性を反映している。前後エアロパーツやボンネットの形状に加え、車体下面の空気流動性についても細心の注意を払い、ダウンフォースの効果を最大限に得られるよう配慮した。またエンジン性能を最大限に発揮させるため、エンジンルームへの空気の取り入れ並びに排出についても慎重な検討を実施し、摂氏30度を越える地域で開催されるラリーや、平均時速の低いラリーにも対応する十分な冷却性能を確保した。
□サスペンション&シャシー
サスペンションは前後・左右共通部品で成立させることをコンセプトに開発したマクファーソンストラット式サスペンションを採用した。単にハンドリングの良さのみを追求するのではなく、パーツの素材にスチールを用いるなど、耐久性はもちろんのこと、シンプルな機構による整備性の向上にも対応した。ダンパーは、従来同様『ランサーWRC04』専用に開発されたオーリンズ製である。
シャシーは、前後の重量配分を理想に近くづけるため、クロスメンバーとステアリングラックの一部取り付け面を改良し、エンジンを20度ほど後方に傾斜させて搭載した。
□エンジン&トランスミッション
2.0L DOHC 16バルブのエンジンは、『ランサーエボリュ-ションVIII』はもちろんのこと、『グランディス』や『エアトレック』などで使われる4G6シリーズをベースとしている。
従来の『ランサーエボリューションWRC2』のエンジンに対し、ボア×ストロークはそのままだが、ターボチャージャーや、吸排気系のマニフォールドなどを大幅に変更した。またクランクシャフト、コンロッドやピストンの軽量化を更に進め、レスポンスの向上を図っている。電子制御システムはマグネッティ・マレリ製に変更し、シャシー系の制御ユニットと統合制御することで、信頼性を確保しながら軽量化を図った。
トランスミッションは『ランサーエボリューションWRC2』で使っていたものから、リカルド製の5速マニュアルトランスミッションに変更した。3つ全てのディファレンシャルはパッシブタイプで、プラネットセンターディファレンシャルによりトルクは前後に配分される。また、フロントとリヤのディファレンシャルは機械式LSDを採用した。
"世界ラリー選手権の技術規定により、エンジンはリストリクター(吸気制限装置)の装着が義務付けられている。それに対応して開発を進めた結果、『ランサーWRC04』のエンジンはパワー曲線とトルク曲線が5速トランスミッションでの対応に適したものとなった。5速で充分な時に6速トランスミッションにする必要があるのか?など我々はクルマを開発する際、さまざまな可能性を分析し、最適なものを選んだ"とフォルナリスは語った。
パッシブデフの採用は異例であるが、他車を凌駕するアクティブデフの実現には、パッシブデフでさまざまな条件下の走行を重ね、十分なデータを蓄積することが必要であり、基礎となるシャシーをより万全で効果的なものにするという決定に基づいている。また、トランスミッションのセミオートマチック機構は、『ランサーWRC04』の基本性能と耐久性を確信でき次第、搭載する予定であり、2004年シーズン後半には実戦投入される可能性がある。
□ブレーキ
ブレーキはブレンボ製を採用するが、軽量化と、重量配分並びに制動時の荷重移動を見直した結果、ウォータークーリングを必要としないシンプルで信頼性の高いものとなった。
□まとめ
『ランサーWRC04』は10月中旬からテストを開始され、ジル・パニッツィを筆頭とする新しいドライバー体制で2004年1月の「モンテカルロラリー」に臨む。しかしフォルナリスは、実戦出場も重要な開発の場であると考えている。新しい三菱のワールドラリーカーは、2004年シーズン最初の3ヶ月間に、舗装路(ターマック)と氷結路(アイス)のモンテカルロ、雪のスウェーデン、埃と未舗装路(グラベル)のメキシコ、と3種類の異なった走行条件に挑戦する。
"我々は、最初から多くのことを期待してはいない。現段階で戦闘力を論議すべきではない。『ランサーWRC04』は新しいクルマであり、仕様検討、テストともに時間が限られていた。もちろんテストを通じて多くの改良を行ってきたが、ラリーでは予想外のトラブルも発生するだろう。
しかし我々のシンプルにまとめるという開発思想で乗り切っていくつもりだ。もちろん我々には学ぶべきことがまだ多く残されている。最初の数戦では、まずは従来車より速いことを確認したい。そして複雑な機構を始めから採用せず、段階を踏んで車両を改良していく。
段階を踏んでのエンジニアリングが、2004年シーズン後半の高い競争力の確保と、勝利に向けた最短の方法であると確信している。強豪チームがしのぎを削る厳しいWRCの環境の中で戦うには整備性などを含めた総合性能の玉成が何よりも重要だ"とフォルナリスは語った。
2.『ランサーWRC』主要諸元
| 全長 |
4360mm |
| 全幅 |
1770mm |
| ホイールベース |
2600mm |
| トレッド(前/後) |
1500mm |
| 車両重量 |
1230kg |
| エンジン |
4G63 DOHC16バルブ インタークーラーターボ
吸気制限装置(リストリクター) |
| ボア×ストローク |
85.5×86.9mm |
| 総排気量 |
1.996L |
| 最大出力 |
300 PS / 5500rpm |
| 最大トルク |
55kg-m/3500rpm |
| エンジン制御装置 |
マグネッティ・マレリ製マルチインジェクション |
| タンク容量 |
90 L |
| 主変速機形式 |
リカルド製 5速マニュアルトランスミッション |
| クラッチ |
カーボン トリプルプレート |
| 駆動方式 |
フルタイム4WD |
| デフ |
フロントLSD、センターLSD、リヤLSD |
| サスペンション形式 |
マクファーソンストラット式コイルスプリング
(アンチロールバー付) |
| ショックアブソーバー |
オーリンズ製 |
| ステアリング形式 |
ラック&ピニオン(パワーステアリング) |
| ブレーキ形式 |
ベンチレーテッドディスク(ブレンボ製キャリパー&ローター)
ローター(ターマック:370mm、グラベル:300mm、スノー:328mm)
キャリパー(ターマック:8Pot、グラベル&スノー:4Pot) |
ホイール
(ホイールサイズ) |
エンケイ製マグネシウムホイール
(ターマック:8×18、グラベル:7×15、スノー:5×16) |
| タイヤ |
ミシュラン製 |
| その他特長 |
レカロ製シート、サベルト製シートベルト、
スティロ製ヘルメット&インターコム |
3.2004年WRCドライバー*
パニッツィは『ランサーWRC04』のファーストカーでWRC16戦全てに参戦し、K.ソルベルグ、ソラ、ガリの3名はイベントごとに交代でセカンドカーをドライブする。またワールドラリーカーで出場しないイベントは、より多くの実戦経験を積むため、グループN仕様の『ランサーエボリューションVIII』でエントリーする。
(1) ファーストカー
ドライバー: ジル・パニッツィ Gilles Panizzi (38才、フランス)
コドライバー: エルベ・パニッツィ Herve Panizzi (36才、フランス)
(2) セカンドカー
ドライバー: クリスチャン・ソルベルグ Kristian Sohlberg (25才、フィンランド)
コドライバー: カイ・リンドストローム Kaj Lindstrom (34才、フィンランド)
ドライバー: ダニエル・ソラ Daniel Sola (28才、スペイン)
コドライバー: アレックス・ロマーニ・バルセルス Alex Romani Balcells (39才、スペイン)
ドライバー: ジャンルイジ・ガリ Gianluigi 'Gigi' Galli (30才、イタリア)
コドライバー: グイド・ドゥアモーレ Guido D'Amore (32才、イタリア)
※ドライバー、コドライバーの氏名はMMSPにおける呼び方に基づきカタカナ表記化したもので、
各選手の出身母国での発音、並びに英語発音と異なる場合がある。
4.2004年世界ラリー選手権カレンダー
| (1) |
モンテカルロラリー
Rallye Automobile Monte Carlo
|
1月23日(金)〜25日(日) |
| (2) |
スウェディッシュラリー
Swedish Rally
|
2月 6日(金)〜8日(日) |
| (3) |
メキシコラリー
Rally Mexico
|
3月12日(金)〜14日(日) |
| (4) |
ニュージーランドラリー
Rally of New Zealand
|
4月16日(金)〜18日(日) |
| (5) |
キプロスラリー
Cyprus Rally
|
5月14日(金)〜16日(日) |
| (6) |
アクロポリスラリー
Acropolis Rally
|
5月28日(金)〜30日(日) |
| (7) |
アルゼンチンラリー
Rally Argentina
|
6月11日(金)〜13日(日) |
| (8) |
トルコラリー
Rally of Turkey
|
6月25日(金)〜27日(日) |
| (9) |
フィンランドラリー
Rally Finland
|
8月6日(金)〜8日(日) |
| (10) |
ドイツラリー
Rallye Deutschland
|
8月20日(金)〜22日(日) |
| (11) |
日本ラリー
Rally Japan
|
9月3日(金)〜5日(日) |
| (12) |
グレートブリテンラリー
Rally GB
|
9月17日(金)〜19日(日) |
| (13) |
サルディニアラリー
Rally d’Italia - Sardinia
|
10月1日(金)〜3日(日) |
| (14) |
ツール・ド・コルス
Rallye de France - Tour de Course
|
10月15日(金)〜17日(日) |
| (15) |
カタルニアラリー
Rally Catalunya - Rally de Espana
|
10月29日(金)〜31日(日) |
| (16) |
オーストラリアラリー
Rally Australia
|
11月12日(金)〜14日(日) |
三菱自動車 世界ラリー選手権(WRC)における栄光の歴史
三菱自動車は1962年の「マカオグランプリ」に『三菱500』で初参戦し、国際的なモータースポーツ活動への取り組みを開始した。それ以降、世界ラリー選手権(WRC)やクロスカントリーラリーになどのラリー活動に勢力的に取り組み、その分野のモータースポーツで圧倒的な力を発揮し、自動車業界はもとより、多くの一般ユーザーに対して大きな影響を与え続けてきた。
三菱自動車の世界ラリー選手権活動では、トミー・マキネンが1996年から1999年まで前人未踏の4年連続ドライバーズタイトル獲得をしている。また1998年には併せてマニュファクチャラーズタイトルを制し、世界ラリー選手権での完全勝利を達成した。三菱自動車は1974年の「サファリラリー」における初優勝から2002年までに世界ラリー選手権で合計34のラリーで勝利をおさめ、同選手権が創設された1973年以降、参戦マニュファクチャラー20社の中でも6番目に多い優勝回数を誇る。
また世界ラリー選手権のトップカテゴリーであるワールドラリーカーと比べ、改造範囲が限られ、より市販車に近い状態で競技されるグループNのカテゴリーでも三菱自動車は卓越した記録を残している。世界ラリー選手権のグループN(現在のプロダクションカー選手権=PWRC)では1995年から2001年まで7年連続で「ランサーエボリュ-ション」が同クラスを制した。また過去5度に渡りタイトルを獲得した、アジアパシフィック選手権も三菱自動車のモータースポーツ史に大きな功績を残している。
一方、三菱自動車はクロスカントリーラリー活動でも素晴らしい実績を誇っている。FIAクロスカントリーラリーワールドカップでは1998年から2001年まで3年連続、そして2003年と合わせ合計4回、年間タイトルを獲得している。またダカールラリーでも8度の優勝回数を誇り、三菱自動車はクロスカントリーラリーで最も成功したマニュファクチャラーとして名高く、2004年のパリダカでは、前人未到の4連覇を目指している。
1962年の「マカオグランプリ」参戦後、1967年に三菱自動車は『コルト1000F』でオーストラリアの「サザンクロスラリー」に参戦し、インターナショナルラリーへのデビューを果たした。そして1972年の「サザンクロスラリー」で『ギャラン』を駆るアンドリュー・コーワン(後のラリーアートヨーロッパ創設者で現MMSP LTD相談役)が三菱自動車初となるインターショナルナルラリーでの優勝を飾った。
三菱自動車は、翌1973年の「サザンクロスラリー」で初代『ランサー(1600 GSR)』をデビューさせ、1976年まで、三菱車5連覇、ランサーで4連覇という大きな成功をおさめた。また1973年の「サファリラリー」に『ギャラン』で参戦し、三菱自動車の世界ラリー選手権への挑戦が始まった。そして1974年の「サファリラリー」で、ケニア人ドライバー、ジョギンダ・シンの駆る『ランサー』が優勝し、同社の世界ラリー選手権初の勝利を得たのである。また、1976年の「サファリラリー」では、シンとロビン・ウリヤテとアンドリュー・コーワンの駆る3台の『ランサー』が1位〜3位まで表彰台を独占した。
三菱自動車のモータースポーツ活動は、他の多くの自動車メーカー同様、世界レベルで発生した石油ショックにより、一時中断を余儀なくされたが、1981年の世界ラリー選手権に2.0Lターボエンジンを搭載した『ランサーEX』でカムバックを果たした。『ランサーEX』は3年間参戦し、その後、三菱自動車のラリー活動は1983年の『スタリオン』に、そして『ギャランVR4』へと引き継がれた。『ギャランVR4』は、アジアンパシフィックラリー選手権でも活躍し、1988年に篠塚健次郎が、1991年と92年にロス・ダンカートンが同選手権のタイトルを獲得している。
1993年は『ランサー』復活の年であった。『ランサーエボリューション』のWRCにおける輝かしい歴史の始まりである。『ランサーエボリュ-ションIII』は1995年のアジアパシフィックラリー選手権(APRC)でドライバーとマニュファクチャラー部門のタイトルを獲得し、世界ラリー選手権においては1996年には「スウェーデンラリー」で2年連続優勝を達成した。フィンランド人ドライバーのトミー・マキネンとイギリス人ドライバーのリチャード・バーンズはその後ケニアのサファリラリーとアルゼンチンラリ−、ニュージーランドラリー、フィンランドラリー、そしてオーストラリアラリーで優勝を飾った。またトミー・マキネンは、この年から1999年まで4年連続で世界ラリー選手権のドライバーズタイトルを獲得しており、まさに1996年は『ランサーエボリューション』の飛躍の年であった。
1997年のFIAの規定改定により、ワールドラリーカーが誕生した。しかし三菱自動車は、改造範囲の限られるグループAカテゴリーの『ランサーエボリューション』で参戦を続けることを決めた。この年トミー・マキネンはポルトガル、スペイン、アルゼンチン、そしてフィンランドと計4つのラリーで勝利をし、2年連続のドライバーズタイトルを獲得している。
1998年は更に大きな規定改定が実施された。秒刻みの計測の導入である。新型となる『ランサーエボリューションV』は4月のカタルニヤラリーでデビューし、すぐに表彰台の一角を占めた。マキネンが3位にそしてバーンズが4位に入賞したのである。『ランサーエボリューションV』最大の特長は拡幅された外観だが、これは新たにワールドラリーカーの規定で認められた最大幅の利点を最大限に活用したものである。また優れた電子制御技術ときめ細かく調整したサスペンションにより、舗装路での性能を向上するとともに、あらゆるラウンドでのメンテナンス性の向上を実現した。この年、トミー・マキネンはWRCで5勝し、3年連続となるドライバーズタイトルを確実なものとし、リチャード・バーンズの2勝と合わせ、三菱自動車初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
1999年は1月の「モンテカルロラリー」に『ランサーエボリューションV』で参戦、同ラリー5年連続優勝の偉業を達成した。そして次の「スウェーデンラリー」で新型の『ランサーエボリューションVI』がデビューしたが、『ランサーエボリューションVI』は初戦から優勝を決めている。なお『ランサーエボリュ-ションVI』は、先代の『エボリューションV』を改良した派生車だったが、FIAのレギュレーション上では、三菱自動車初のワールドラリーカーとして承認されている。この年マキネンとバーンズはWRC全14戦中7戦で優勝し、マキネンが4年連続ドライバーズタイトルを獲得し、バーンズはわずか7ポイント差でドライバーズポイント2位となった。
このFIAの承認上ではワールドラリーカーとされた車両の開発は、2000年の「ランサーエボリューション6.5」として知られる車両まで続けられた。しかし2000年はモンテカルロラリーでの優勝以後、三菱自動車にとって厳しいシーズンとなった。
『ランサーエボリューションVI』のリヤ車体構造とフライホイールの改良をFIAから許可された2001年は良いスタートが切れた。この『ランサーエボリューションVI』はモンテカルロラリーで優勝し、三菱自動車にとって名実ともに初となるワールドラリーカー『ランサーエボリューションWRC』がサンレモラリーでデビューするまで参戦した。この年、マキネンは4つのラリーで優勝したが、WRCの競争は厳しく、スバルに移籍したかつてのチームメイト、リチャード・バーンズが新型インプレッサで2001年のドライバーズタイトルを獲得。マキネンと三菱自動車はそれぞれ、ドライバーズポイント、マニュファクチャラーズポイントで3位に留まった。
2002年は三菱自動車にとってさらに厳しい年となり、最終的には翌2003年の世界ラリー選手権活動の休止を決定するに至った。三菱自動車は2003年を、新しいモーターススポーツ統括会社MMSP
GmbHの設立を含む、モータースポーツ活動再構築の年としたのである。このMMSP GmbHは三菱自動車のグローバルなモータースポーツ戦略と活動の推進を担っている。ドイツ、フランクフルト近郊のトレバーに拠点を構え、WRC活動とクロスカントリーラリー活動の両方を運営している。なお、WRCチームの開発拠点はイギリスのラグビー、クロスカントリーラリーチームの開発拠点は、フランスのポンドボーにある。
2004年は、三菱自動車のモータースポーツ活動にとって新たな挑戦の年となる。元旦から4連覇を目指す「ダカールラリー」が始まる。そして同じ1月「モンテカルロラリー」から2004年シーズンの世界ラリー選手権が始まる。三菱自動車は、「モンテカルロラリー」に新開発の『ランサーWRC04』と、新しいドライバーラインナップ、そして新しいチーム体制で2年ぶりの復帰を図る。そして三菱自動車のモータースポーツ統括会社MMSPは、三菱自動車の栄光の日々を復活させるという長期的目標に全力を注いでいる。